便潜血検査とは
便潜血検査とは便の中に血液が混入しているかどうかを調べる検査で、主に大腸癌のスクリーニング検査として検診などで用いられます。
大腸癌は進行すると便秘や下痢、腹痛、血便などの症状が出現します。ただ、これらの症状が出現するよりも前に癌の表面が便にこすられて出血し、便に血が混じります。少量の出血の場合、便の見た目は通常とほとんど変わらないため気づきにくいのですが、便潜血反応検査では便中に含まれる微量の血液を検出することできるため、大腸癌の早期発見につながります。
便潜血検査の方法
現在は1回法ではなく、日を変えて2日間の便を提出する2回法が主流となっています。また薬剤や食事の影響を受ける化学法ではなく、影響の少ない免疫法で検査を行うことが一般的です。
陰性は異常なし? 陽性は癌?
大腸癌があっても1回の便潜血検査で陽性となる割合は60%といわれています。2回検査を行うとその割合は85%まで上がりますが100%ではありません。従って、便潜血検査が陰性の場合でも、大腸癌を完全には否定できません。
一方、便潜血陽性者のうち大腸癌が見つかる人は2~4%といわれています。数字だけ見ると決して多くはありませんが大腸ポリープや、腸炎など他の病気が見つかる場合も少なくないので、陽性であれば必ず大腸内視鏡検査を受ける必要があります。
便潜血陽性者・大腸癌の割合
集団検診の報告によると便潜血検査を受けた方の約5%が陽性となり、そのうちの2~4%の方に大腸癌が発見されるといわれています。つまり、検診で1,000人が便潜血検査を受けると50人が陽性となり、50人のうち1~2人に大腸癌が見つかります。
便潜血検査が陽性の場合
2回法のうち2回、もしくは1回でも検査結果が陽性の場合は、大腸内視鏡検査による精密検査が必要です。